レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿太田 忠司
光文社 刊
発売日 2006-03-23
オルゴールのような人 2006-05-23
主人公雪長鋼(はがね)はオルゴール修復師だ。暗い過去のために心の病を患って、愛犬ステラと2人きりで世の中との関わりを避けるようにひっそりと暮らしている。
持ち込まれるオルゴールはアンティークの高価なものから、おもちゃのようなものまでさまざまだが、共通しているのはどのオルゴールにも持ち主の思い入れや思い出が詰まっていることだ。オルゴールの修理を通して、(本人は見たくないのに)見えてくるそれぞれの人生。そして図らずもその依頼主の人生に踏み込んでしまい、オルゴールと共に彼らの心も癒していく。
主人公はオルゴールのように繊細でもろい青年。自分が傷ついているからこそ人の痛みも理解できるし、思いやりも持てるのだ。そのことに本人が気づいていくところが、この小説の読みどころだろう。レストアは魂のレストアもするのだ。(自分の魂も含めて)
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